利用者さんの成長を見た瞬間

支援員の視点

成長は就職だけではない

就労移行支援事業所の最終的な目標は、就職し、その後も安定して働き続けることです。

もちろん、それはとても大切な目標です。

私自身も、利用者さんの就職が決まった時は本当に嬉しくなります。

けれど、利用者さんと関わる中で感じるのは、成長は就職だけではないということです。

毎日決まった時間に起きること。

継続して通所すること。

自分の気持ちを言葉にすること。

誰かに相談すること。

私たちにとっては当たり前に思えることでも、その一歩に大きな勇気が必要な方もいます。

だから私は、就職という結果だけではなく、その過程で生まれる小さな変化も大切にしたいと思っています。

小さな変化が見せてくれたもの

以前担当していた利用者さんの中に、ほとんど自分から意思表示をしない方がいました。

感情を表に出すことも少なく、会話も「はい」「いいえ」で終わることがほとんど。

それ以外の時間は、資格取得に向けて黙々と勉強を続けていました。

私が話しかけても返事はしてくれる。

けれど、それ以上会話が広がることはあまりありませんでした。

正直なところ、その方が何を考えているのか分からず、どう関わることが良い支援につながるのか悩むこともありました。

そんなある日、その方の方から

「おはようございます」

と声をかけてくれたのです。

それだけでも驚きました。

さらに、それまで別の職員に質問していた内容を私に聞いてくれるようになりました。

そしてある時、折り紙を折ってプレゼントしてくれたこともありました。

周りから見れば、本当に小さな出来事かもしれません。

でも私にとっては、とても嬉しい出来事でした。

もしかしたら、この場所が少し安心できる場所になったのかもしれない。

もしかしたら、私のことを少し信頼してくれたのかもしれない。

そう思うと胸が温かくなったのを今でも覚えています。

自分らしさが出てきた瞬間

就労移行支援を利用される方の中には、これまで限られた人間関係の中で生活してきた方も少なくあり

ません。

家族や友人など、ごく限られた人との関わりが中心だった方もいます。

そんな方が、支援員や他の利用者さん、実習先の担当者、企業の方々と出会い、少しずつ関わりの輪を広げていく。

その中で、自分の考えを話せるようになったり、自分の気持ちを伝えられるようになったりすることがあります。

私はそんな瞬間に、その人らしさが見えてくるような気がしています。

以前は言えなかった不安を話してくれる。

困った時に助けを求められる。

自分の考えを言葉にできる。

それもまた、大切な成長の一つだと思っています。

私が成長を感じる時

私にとって成長とは、できなかったことができるようになることだけではありません。

不安な気持ちを言葉にできること。

誰かに助けを求められること。

自分の考えを伝えられること。

そして、自分らしくいられる場所を少しずつ広げていくこと。

そんな変化を見つけるたびに、私は利用者さんの成長を感じます。

就職は大切な目標です。

けれど、その前にはたくさんの小さな挑戦と成長があります。

これからも私は、その一歩一歩を大切に見守っていきたいと思っています。

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